宝島社が毎年発表しているその年のすごいマンガランキングである「このマンガがすごい!」。
そういえば毎年「このマンガがすごい!」のランキングをよく目にしますが、これってどういうものだったのかを調べてみました。
「このマンガがすごい!」って?
下記は公式サイトからの引用です。
各界のマンガ好きがその年の「一番すごい!」と思うマンガを選ぶ年末のイベント的年譜「このマンガがすごい!」。
じつは1996年に前身となる『別冊宝島 このマンガがすごい!』そして『別冊宝島 このマンガがえらい!』が刊行されたのがその始まり。2005年からは書籍が毎年発売され、発表されるたびにマンガ業界、マンガファンらに熱い注目を集めています!
なるほど〜。
さぴこ的には2006年度のランキングが印象に残っていたのですが、「このマンガすごい!」の年度版の第一弾だったのですね。
ちなみに2017年度のオトコ編第一位はこちらです。
面白いという評判は聞いていて、いつも気になっているのですがまだ読めていないのどですよね。
今回さぴこが読んだのはオンナ編の第1位、岩本ナオ先生の「金の国水の国」でした。
ここから先は「金の国水の国」のストーリーに関する内容になりますので、少々ネタバレを含みます。
ご注意ください。
物語はなんと「犬のうんこ」の話ではじまった
このマンガは「犬のうんこ」の片付けの件で戦争になってしまったところから始まります。
そして仲裁に入った神様がそれぞれの国の長にこういいます。
A国は 国で一番美しい娘を B国に嫁にやり
B国は 国で一番賢い若者を A国に婿にやりなさい
ここで出てくるA国が「金の国」、B国が「水の国」なのですが、国の名前がA国とB国とは憶えやすいというかなんというか…。
A国は経済的に発展しているけれど、自然の資源に乏しく水がとても貴重です。
B国は水と緑であふれていますが、先の戦争のために経済的に困窮しています。
神様に言われたからといって、それまでずっといがみ合ってきたそれぞれの王様が、言われた通りにするわけもありません。
B国からはA国へは国一番賢い若者として犬が、
A国からB国へは国一番美しい娘として猫が、
今回の主人公である2人のもとにそれぞれ届けられます。
ふたりの主人公の人柄が素敵
A国のぽっちゃりしていて美人とは言えない王女の名前は「サーラ」。
自分のところにやってきた犬には、賢いという意味の「ルクマン」と名前をつけました。
そしてB国の貧乏は若者の名前は「ナランバヤル」。
やってきた猫には、星の輝きという意味「オドンチメグ」という名前をつけました。
2人はお互いに王から差し出された物同士とは知らず、それぞれの犬と猫をきっかけに出会うのですが、この2人ともさわやかといいますかなんといいますか、純粋で芯の強さを持つ魅力的な人物なのです。
この2人のほっこりとした雰囲気がこの作品を作り上げている、という感じ。
全1冊にぎゅっと詰まっているために、主人公それぞれの細かい描写は少ないのですが、言葉の裏に感じられる人柄がとても素敵だなと思いました。
まるで一冊の絵本のような作品
最後まで読んだ後は、まるで大人のための童話や絵本を読んだような感じでした。
ディズニー映画の原作になってもおかしくないかもしれません。
ハッピーエンドで、読み終わった後の読後感がさわやかなのがとってもいい感じなのです。
ファンタジーがお好きでない方にはもしかしたら違う感想になってしまうのかもしれませんけど、ファンタジー好きな方にはぜひ一度読んでいただきたい作品でした。
漫画としては文字の量が多く、1冊完結ではありますけどボリュームがあります。
292ページとはいえ、1冊でこれだけの満足感を出せる漫画は最近なかったような気がしますね。
岩本ナオ先生の他の作品がとても気になってしまいました。
大人のファンタジーとしては満点の作品だと思います。
おわりに
この本はたまたま今日行った書店の「このマンガがすごい!」コーナーで、お試しの小冊子を立ち読みしたのでした。
その場で購入しようかとも思ったのですが、さぴこはただいま電子書籍移行中ということもあってKindleで購入したのです。
でも見開きページも結構多く、正直なところ作品を堪能するには本でみた方がよかったなぁと。
あのまま本をレジに持っていけば良かった・・・。
いつも行っているクオカードの使える書店だったら、迷わず本で購入していたことでしょう。
電子書籍の方がスペース上の問題では圧倒的に有利なんですけど、満足度はやはり本の方が高いんです。
文字が主体である文庫本等であれば電子書籍の方がいいんですけど、漫画はやっぱり本がいいなぁと思う作品がほとんどなんですよね。
悩ましいところです。
あー、ドラえもんがいたら自分専用図書館スペースを作ってもらうのになぁ。
平面の壁なんだけど扉を開けると広くて本がズラーっと並んでいる空間、みたいな。
さて、現実にもどって断捨離しないといけないですね。
ではまた!