子供の頃に習っていたピアノの先生とは、大人になってからも長いお付き合いをさせていだいていました。
音楽幼児コースのグループレッスンを1年受けた後の年長の時から小学5年生までの5年ちょっと個人レッスンをしていただいた先生です。
その後ステップアップのために教室を変わりましたが、教室は変わっても先生とのお付き合いは長く続いていました。
ピアノの先生との長いお付き合い
個人教室に通い始めたのが5歳で、それから40年もの長いお付き合いをしてきたことになります。
5年ほど前、先生に痴呆の症状が出て老人福祉施設に移られたと聞くまでずっと年賀状でのやり取りをしていましたが、その後の近況は同じ教室に通っていた友人の噂で知るのみ。
先日、先生はすでに昨年の春に90歳でお亡くなりになっていて、ご家族のみで葬儀を行われたのだということを聞きました。
最後にお話したのは子供が生まれた時でしたので12年くらい前でしょうか。
5歳で初めて先生にお会いした時に先生はすでに今の私くらいの年齢でしたから、最後にお話した時でも70代後半くらいだったのですよね。
結婚祝いに頂いた本
先生から結婚祝いに料理の基本が書かれた本をいただきました。
すでに料理は作っているだろうけれども意外と料理の基本を学ぶ機会はないだろうから、1冊あると便利よと。
いろいろな食材の切り方や出汁のとり方などをはじめ、それぞれの素材に合わせた基本のお料理がたくさんのっている本です。
新居にも来ていただいたことがあり、当時はまだ子供はいなかったのでピアノが家にはなかったのですが、子供が生まれたらきっとピアノが弾きたくなるよと言われていたことを思い出します。
子供がピアノをはじめてから確かにピアノを弾きたくなりましたが、指がなかなかまともに動かず、恥ずかしながらまた長いことピアノから遠ざかってしまっていますよ。
先生からはピアノ以外のことをたくさん教わった
先生に教わったのはピアノの技術的なものだけではありません。
レッスンの前と後に必ずピアノをきれいに掃除することを通じて物を大切にして使うことや、ピアノは感情を映す鏡にもなるが感情を穏やかにしてくれる薬でもあるということ、悲しい時や辛い時は自分が好きな楽しい曲を弾くといつの間にか笑顔になるなど、生きていく上でのいろいろな知恵を教えてもらったような気がします。
いつでもおだやかで、やさしくて、歌が大好きだった先生。
ピアノ専門の先生ではなく元々は小学校の音楽の先生だった方でした。
そのままずっと先生に教えていただくつもりでしたが、教本が変わるタイミングでコンクール等の参加もできる他の教室で学んだほうがいいといわれ別の教室に変わることに。
ピアノ教室は変わっても進学の節目などには声をかけてくださって、気がついたら大人になってもそのままいつまでも私の先生でいてくれたのです。
子供も先生との関係を築いている
子供も5歳からずっと同じ先生にピアノを習っています。
今年でもう6年。
今ではピアノのレッスンの時間よりおしゃべりの時間の方が多いかもということですが、それでいいと思います。
休校期間中にオンラインレッスンになった時、いつものようにおしゃべりができないしグランドピアノでの練習ができないので早く普通のレッスンに戻って欲しいと言っていました。
先生の家でグランドピアノを弾けるのがうれしいみたいです。
家のピアノはアップライトピアノなのですが、タッチが違うからグランドピアノが欲しいと言われても残念ながらそれは難しいので先生のところで弾いて満足してもらうことにします。
親には言えないような相談事もピアノの先生にはしているのかな、なんて思いつつちょっとフフッと思ってみたり。
私と私のピアノの先生のように、人生の恩師としてお付き合いを続けて欲しいと思います。
おわりに
ひとりっ子で核家族の我が家。
親戚が少ない子供にとって、周りで自分の成長を見てくれる大人の存在というのは貴重です。
隣に住むおじさんだったり、ピアノの先生だったり、公文の先生だったりと子供の成長を見守ってくれた身近な方々の存在は、遠くに住む親戚よりもはるかに子供にとって大切な存在になってくれているように思います。
なにかを極めようとする一部の人を除いて考えると、習い事によって得られるもので有益なのは能力の向上より、それをきっかけにできる友人や先生など家族以外との人間関係による成長の方が大きいのかもしれませんね。
それでは!!