実家の隣に住んでいた3つ年上の幼馴染は、毎年夏休みになるとフランスから三人の子供を連れて帰ってきます。
6月上旬から8月末まで約3ヶ月間を日本で暮らしているので三人の子供たちは日本にも友達がたくさんいますし、フランス語と日本語はほぼ母国語と同じレベル。
一番上の子が今年の秋から大学生ということで、今年は試験のために6月の帰国が遅くなったのですけれど、その話を聞いてびっくりしました。
フランスは大学が無料
ヨーロッパでは珍しくないというのをなんとなく知ってはいましたが、フランスは大学の学費は無料なんです。
無料といっても日本の学校と一緒でなんだかんだとある程度はお金がかかるのでしょと聞いてみましたが、年間で5万円しないくらいとのこと。
そのかわり大学自体は古い建物が多くて設備もイマイチのところが多いと言っていましたが、それでも学費がかからないというのは親にとっての心配事の1つがなくなるのと同じことです。
フランスには塾がない
そしてもう一つの驚きはフランスには塾がないということ。
塾が全くないわけではないそうですけど、日本の塾のイメージとはかなり異なり学校での授業についていけない場合のフォローという感じのようです。
しかも日本の塾のように何時間も通ったり、夏期講習なんていうものもないそう。
そもそもフランスでは塾が必要な状況ではないらしいのです。
というのも受験という概念がないから。
入学審査はあっても入学テストはないんですって。
私立の中学校に行くような場合でも基本的に入試はなくて面接と小学校の成績だけで判断されるので、日本の入試のようなことはないとのこと。
ただし留年は小学校でもあり得るので、みんなある程度勉強を頑張っているようです。
日本は親も子供も大変だ
フランスでの子育ての話を聞いているとめまいがするほど違いがあります。
日本とフランスでこんなに違うなんて。
日本の場合はまず中学校では高校入試のために内申点やテストのための勉強に追われ、高校では大学入試のために塾通い、そして大学に入ったら高額な授業料のわりには卒業後にその恩恵がない場合もあったりとなんだか踏んだり蹴ったりのような…。
しかもフランスは親も休みが多いので子供も休み方をちゃんと知っているのです。
休みも長いですし、親も同じ時期にバカンスを取るのでキャンピングカーでいろんな国に行ったり、ゆっくりのんびりすごす方法もちゃんと学んでいます。
もちろんフランスのすべてが良いところばかりではないと思いますけど、子供たちが元気で生き生きとしているだけで日本よりも明るい未来が見えてきそうな気がします。
教育後進国、日本
中学校の話になったとき、北海道の公立中学校の内申の異常さが話題になりました。
北海道の場合、内申点が中学1年生から計算されるために中学1年生で成績が悪かった場合にはその後どれだけ頑張っても内申点をなかなか挽回できないのです。
その内申点によって入試の際の合格できる点数がかなり変わってきてしまうため、やりたくもない部活を頑張ったり、嫌いな教科でも点数をとらなければ希望の高校へ入ることは難しくなります。
基本的に教科全部の評価が良くなければ評価の高い高校の試験を受けることもできません。
そんなに重要な内申点ですが、5教科だけの成績が良くてもダメですし、100点をとっても5をもらえない教科もあるし、先生に好まれる態度をできる生徒が評価される、そして当たる先生によってかなり幅がある、ということは子供の通う予定の公立中学校に通う子供を持つお母さん達から聞いてはいました。
中学1年生の時はあまり成績が良くなかったけどその後の努力で3年生になった時には成績優秀になったとしても1年生の頃の成績が足を引っ張ってしまう状況って、それでいいんでしょうかね。
私としてはその伸びを評価するのが教育だと思うのですけど。
おわりに
子供の小学校生活もあと1年半。
中学校のことも考え始める時期になりました。
それにしてもフランスの子育てのしやすさには本当に驚きます。
日本だって子供がたくさんいても塾や大学までの学費一切を気にする必要がないといったら子育て世代の悩みのほとんどが一瞬で吹っ飛んでしまいますから。
海外からの観光客を呼ぶことばかりを考えないで海外の良いところはどんどん取り入れてほしいと思うさぴこでした。
それでは。