昨年、「カルト村で生まれました。」という本を読み、いろんな意味でいろいろと考えさせられたことがあったのですが、先日本屋さんでたまたま続編が販売されているのを知り、早速読んでみました。
出版されたのは今年の2月ということで、もう半年以上もなのですね。
ちなみに前作はこちらです。
カルト村という表記をされていて実際にどこのことかは書かれていませんけれど、本を読むとあそこのことだなとわかる人も多いかと思います。
さぴこはその村が移動販売車などで美味しいお肉や牛乳や卵を販売されていたところという認識がありました。
子供の頃、家の近くに移動販売車が来たことがあり、親が購入した際にとっても美味しかった思い出があるのです。
その後新興宗教の事件の際にこの村もクローズアップされたときに、実態を知ったのですけれども、詳細はよくわからないままでした。
もともとこの村のことについてそれほど悪い印象を持っていなかったということもあって、単純にこの会についての興味ということで手に取ったのですけれど、このかやさんの本で知らなかったこの村の生活を知ることができたのです。
高田かやさんというひと
この本はコミックエッセイということで、かやさんが漫画で描いていらっしゃいます。
その内容はこちらでも一部読むことができますので、気になった方はこちらをご確認ください。
内容からは予想もできないくらいほんわかした絵でかかれたその本は、感情的ではなく客観的というか、ある意味淡々と語られている感じ。
批判として書かれているところはありません。
その村で生まれたことによって起こったいろいろな事柄について、恨みや憎しみを感じず、すべてをその時々で受け入れているのだろうということを強く感じます。
そのかやさんの強さ。
きっとどんな状況下でもかやさんはしなやかに運命を受け入れ、自分の中で消化されていくのではないかと思うほどです。
ふさおさんの存在
どちらの本にもかやさんの夫であるふさおさんが登場するのですが、このふさおさんがまるで自分の代弁者のようにツッコミをいれてくれます。
ああ、きっとかやさんはいい人に出会ったのね、と思わずにはいられません。
そのふさおさんとの出会いについても続刊である「さよなら、カルト村。 思春期から村を出るまで」に記載されているのですが、少々驚いてしまいました。
ふさおさんがいい人で本当によかった・・・。
本の中のふさおさんが、深刻な内容であるはずのことを読み手に違和感なく伝えてくれるような一種のクッション材のような役目をはたしていることが、この本を変な先入観なく読ませてくれているのがとても好印象でした。
カルト村がなければ生まれていなかった
かやさんはご両親がカルト村で出会ってご結婚されたということもあり、この村がなければ生まれていなかったという方です。
生まれた時から19歳までこの村で育ったという彼女。
「普通」ではないけれど「異常」だとは思っていないのだろうなというのは私の勝手な感想です。
作者であるかやさんがこの村を完全に否定するということは、自分が生まれたということを否定してしまうことにもなってしまうのでしょうから仕方のないことなのかもしれません。
それにカルト村とは言われていますが、この村は実は思っていたほど異常ではないのかもしれません。
いろいろなことが現代社会とはかけ離れていて問題点はたくさんあることは事実だと思いますが、目指しているところは異常なものではなく、みんな平等に幸せに生活することを目標にしていることだけを考えれば普通のことのようにも思えます。
とはいえ、さぴこはこの村の方針に残念ながら賛同はできませんけれどね。
卵と牛乳等の乳製品はとても美味しいです
このカルト村と書かれているところの食品は札幌近郊でも入手ができます。
年に数回は札幌の地下歩行空間でも販売をされていますが、その村の団体名は出されていないので、知らないで購入されている方がほとんどだと思いますけれど。
地下歩行空間で販売されていた時は大人気でしたから。
札幌市近郊のお店ではパン屋さんもあり、こちらも人気があるようです。
どれも真面目にきちんとつくられた生産物であることは間違いありません。
こんなに美味しいものを一生懸命作っていらっしゃる方々とかやさんの本から感じる穏やかさのようなものがなんとなく同じもののように思うのです。
海外からみれば日本もカルト村かもしれない
日本人の過労死のニュースを海外の方から見ると、日本全体がカルト村のように感じる人も多いのではないでしょうか。
就業開始時間に1分でも遅れるとひどく怒られ、就業終了時間に帰ろうとすると白い目で見られるという会社があるということ自体、そしてその組織の中でなんの疑問も持たずに働いているということを、とても奇妙に見えてもしかたがないのでしょう。
正式に会社から認められている有給休暇を取れない雰囲気があるというのも同じですね。
1ヶ月もの優雅なバカンスを楽しむ国の方から見ると、長くても1週間ほどしか連続した休暇を取れないような状況はとてもおかしく見えるはずです。
なにが正しくてなにがおかしいのか。
考えれば考えるほどわけがわからなくなってしまいそうなので、今日はこの辺でやめておきます。
おわりに
今回のブログは「さよなら、カルト村。 思春期から村を出るまで」を読んだ感想というよりは、読んだことによって感じたことをつらつらと書いてみたという内容です。
感想文だと思って最後までご覧いただきました方がいらっしゃいましたらごめんなさい。
もし前作を読んでいらっしゃる方がいましたらぜひこちらの 「さよなら、カルト村。 思春期から村を出るまで」をおすすめします。
この村に関してはいろんなご意見がある方もいらっしゃるとは思いますが、この本から感じたことはその村で過ごす方々へ偏見を持つことはよくないということです。
一般の社会でもいろんな人がいるように、その村の中でもいろいろな人がいるということなのだ、と感じます。
さよなら、カルト村。 思春期から村を出るまで (文春e-book)
- 作者: 高田かや
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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久しぶりの「私の読んだ本」のカテゴリーへのエントリーで、すっかり長文になってしまいましたが、最後までおつきあいいただきましてありがとうございました。
それでは!!